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タイは軍政が参加のネックか

日付 : 2016年07月13日

自動車を中心に産業の集積に成功し、中進国として東南アジアで大きな存在感を持つタイ。同国のTPP参加は、シンガポールだけでなくインドネシアやフィリピンといった、参加を検討中の国にとっても大きな関心事だ。米国もタイの参加に大きな利点を見込む。タイのプラユット首相は、今年2月に米カリフォルニア州で開催された米ASEAN首脳会議でTPPへの参加を表明する予定だったが見送られたという。タイが軍事政権であることが、米国側から問題視されたためだ。


 タイ政府にしてみれば、民主政権になってしまえばTPP参加に向けて民意を取り付けることにも、各種の改革を進めるにも時間がかかる。軍事政権のうちにTPP参加を決定し、改革に向けた道筋をつけておきたいというのが本音のようだ。 民政になってからタイをTPPに迎え入れたい米国と、軍政のうちに同協定に参加したいタイ。一見すると、両国は真逆の思惑を抱いており、参加に向けた足踏みを強いられる可能性が高い。ただ、ジェトロ・アジア経済研究所の平塚大祐氏(バンコク研究センター所長)は、タイがTPPに参加する可能性は高いとの見方を示す。「タイ商務省の国際派は、TPPのようなルールを導入しなければ

、国際社会で相手にされなくなると考えている。TPPに参加しなければ、あらゆる産業がベトナムに集積してしまうという危機感は、商務省と首相が共通して抱いており、アピラディー商務相をトップに据え、利害関係者からのヒアリングなどを実施するタスクフォースをすでに設置した」。TPPの中でタイが特に期待しているのは、紛争解決と透明性の確保に関する法整備という。民主化については、ロードマップで設定した通り17年7月に実現すれば、大きな遅れにはならない。 世界銀行は、タイがTPPに参加しないことで、国内総生産(GDP)は30年までに0.8%縮小すると試算する。非参加国の中では、最大の下げ幅だ。タイからTPP参加国への輸出額は全体の40%以上を占める。参加を見送ることは、主要な輸出先に対する競争力の低下に直結する。 タイ国内では、畜産や製薬業界がすでにTPPに対して強く反対している。ただ、一部の自動車メーカーや部品メーカーをはじめとして、タイからの輸出に力を入れている企業にとっては、TPPへの加入は事業の将来を大きく左右する。進出する製造業のうち、3割を自動車関連が占める日系企業にとっては、大きな関心事になるだろう。

 

取材源 :The Daily NNA

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