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30 年までにGDP10%底上げ最大の受益国ベトナム

日付 : 2016年07月11日

ベトナム編(上)2015年10月に大筋合意に達し、17年以降の発効を見据える環太平洋連携協定(TPP)。米国の大統領選では、民主・共和両党の候補者が同協定に反対の意向を示すなど、先行きに不透明感がただよう。一方で、参加12カ国で世界の総生産の4割を占める「大経済圏」誕生を前に、アジアの参加国と周辺国の動向は、慌ただしさを増している。TPPのアジアへの影響を取材する特集の第1回は、参加国中で最大のメリットを得るとされるベトナムの思惑を追った。

東南アジアの参加国でも、シンガポールのメディアでは比較的冷静な論調が支配的なのとは、雰囲気が大きく異なる。 世界銀行は、ベトナムがTPPに参加することで、同国の国内総生産(GDP)は30年までに10%押し上げられると予測する。特に、繊維は28%と大幅に拡大する見通し。履物では、19年までに米国の輸入の22 %を占めるようになると試算され、現在の15.9%から急伸が見込まれる。

 TPPは発効後も一部の関税や非関税障壁の撤廃に移行期間が設けられているため、効果は即時に表れるものではない。移行期間の終了後に効果は加速し、数年をかけて顕在化していくとの見方が一般的だ。ベトナムにとっても、目に見える影響が短期で出るわけではないが、米国向けの輸出をはじめ中長期的には大きなメリットを得る可能性は高い(各産業への影響は、第2部以降で詳述)。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)ハノイ事務所の佐藤進氏は、ベトナムのTPPへの参加を、同国の「自信と期待の表れ」と見る。「01年の米越通商協定の発効後に米国向けの輸出が伸びたことから、開放政策に対する自信につながっているのではないか」。ベトナムが市場の開放を推し進めているのは、「高付加価値の産業があまり育っておらず、関税を撤廃しても大きなデメリットにはならない」との認識があるためという。 

取材源  : The Daily NNA

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